もう脈が足りない
完全なる独立
鳥たちによる歓喜の歌
心が重くて動けないよ
氷の中で読んだ絵本
愚かにも愛を実践
傷つき方すら忘れてしまった
ブランチはハチミツトースト、それから
生きた快楽
虚ろな夜に眠る鳥

舞台裏のスタンディング・オベーション
死が灰に溺れるまで
天井から降り注ぐ薔薇と目
聖母の御許で死神に抱かれる
傷のかたちをした愛情
ソムリエの腕時計
最近、花を買わなくなった
雨ざらしの告白
心の自殺を図る
恋をする夢

彼の血は青すぎたから
いましばらく、愛を
孤独に愛されても
夏に息を吹き返す
薔薇の氷る日曜
薔薇の中で呼吸
最初で最後の青春
僕は君を望まない
抱き締めてから殺す
二度と夢は見ない

お待ちください、花束を
深夜の空中カクテル
願わくば、命の花を
聴き損ねた鎮魂歌
会いたいときにきみはいない
神の涙で人は溺れる
じきに歌も唄うだろう
腕の中で死んでくれ
たった一度の暴力で
罪人に向けて涙せよ

愛しています、 嘘です
ウエディング・ドレスに死罪
恋の終わり、愛の始まり
悪魔は神に祈った
心臓が恋をしたみたい
落日を止めたくて
声に涙が混じる頃
見返りに地獄を、手向けに灰を
神に祈り、悪に乞う
七色になれると信じていた白鳥

ロマンティック・カーニバル
感傷に奔る前に敬礼せよ
夏巡り
復讐を誓える相手もいなくなった
海が空を飛ぶ
ひとりふらり
色付く季節に空を並べても
白銀がナイフである理由
残された春
道化から姫への贈りもの

アクロバットスピア
愛が敗れ去るとき
神の戯れる庭で
沈黙と微笑の対話
戯れに愛の花
花から蜜が死んでも
まだこの先に浮かぶ花
慈しむ前に殺めた指で
捕食者の機嫌の取り方
純潔が裏切った花婿

もう必要のない息で
ペパーミントグリーンに落度はなかった
気絶した白鳥
君を弱くするための嘘
薔薇の独白
まだ春が青かった頃
金魚の靴
悲劇を乞う
決して美しくない恋人たち
蝉より強く泣いた夏

永遠の別れは近い
蝶のふりして君にキスする
地上と天国で遠距離恋愛
涙は笑顔で誤魔化せる
散るのを躊躇う花になる
この世に未練が出来てしまった!
シアンは水生
私を抱いて飛んでください
壁の花は暗殺者
渡り歩く夜

失われた恋人を求めて
踵で踏み潰したハッピーエンド
野薔薇摘み
紅薔薇の枯れ野
命を乞うもの、許しを乞うもの
満ちるも欠けるも月次第
眠りから覚めた歌姫は
モダン応用術
真っ赤な包帯で繋ぐ
迷える子羊の屍